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玉皇大帝は「天の主催者」ということで、「天の中心」に類する意味で、黄帝ともイメージが重なる。黄帝が「地の中心」で、後に昇天したとすれば、「天の中心」にもなり得たかもしれない。玉(*ŋok)、黄(*N-kʷˁaŋ)は古くは類する「音」であり、玉皇大帝と黄帝は起源が「同じ神」と考える。 | 玉皇大帝は「天の主催者」ということで、「天の中心」に類する意味で、黄帝ともイメージが重なる。黄帝が「地の中心」で、後に昇天したとすれば、「天の中心」にもなり得たかもしれない。玉(*ŋok)、黄(*N-kʷˁaŋ)は古くは類する「音」であり、玉皇大帝と黄帝は起源が「同じ神」と考える。 | ||
また、玉(*ŋok)、黄(*N-kʷˁaŋ)という言葉は、インドのナーガ(蛇神など)と同起源の言葉なのではないだろうか。 | |||
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<!--呂宗力&欒保群1991、二階堂2001ここから-->道教儀礼で広く用いられる『玉皇経(高上玉皇本行集經)』(『高上玉皇本行集経』)には以下のような記述がある。 | <!--呂宗力&欒保群1991、二階堂2001ここから-->道教儀礼で広く用いられる『玉皇経(高上玉皇本行集經)』(『高上玉皇本行集経』)には以下のような記述がある。 | ||
はるか昔に光厳妙楽国という国があり、国王は名を浄徳王、后は'''宝月光'''(上古音:*puːl-ŋod-kʷaːŋまたは *paːw-ŋod-kʷaːŋ、中古音:pow-ngywət-kwɑŋ、中国語:bǎo-yuè-guāng(バオ-ユエ-グアン))皇后といったが、国王には跡継ぎがいなかった。そこで国中の道士を招いて儀礼を執り行った。ある夜、宝月光皇后は太上道君から子どもを授かる夢を見て、目が覚めると妊娠していた。その後一年を経て、丙午の年、正月九日午の刻に太子として生まれたのが玉帝である。浄徳王の没後に太子は国を継ぐが、やがてすべてを捨てて山中にこもり、道を修め人々を救おうとした。億劫もの長い時間をかけた修行を経て、ついに玉帝となった<ref name="呂宗力&欒保群1991" /><ref name="二階堂2001p213-p224">二階堂 2001, p. 213-224.</ref><ref group="私注">これは人外のものからの「お告げ」で子供を授かる、という点で朝鮮神話の金蛙王の誕生譚と類似していないだろうか。</ref>。 | |||
また『聖源覚真経(聖源覺真經)』では、遠い昔に身を捨てて天の北を塞ぎ、代わりに万の衆生を生かした(「捨身堵北缺、代存万衆生」)という<ref group="私注">これは[[盤古]]的な性質といえようか。</ref>。 | また『聖源覚真経(聖源覺真經)』では、遠い昔に身を捨てて天の北を塞ぎ、代わりに万の衆生を生かした(「捨身堵北缺、代存万衆生」)という<ref group="私注">これは[[盤古]]的な性質といえようか。</ref>。 | ||
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玉皇大帝(ぎょくこうたいてい)[1]、あるいは玉皇[1](ぎょくこう[1]、Yù Huáng、Jade Emperor、上代中国語:玉(*ŋok)、ピンイン: yù)、玉帝[1](ぎょくてい)は、中国道教における事実上の最高神で、天界または宇宙の支配者であり、その下の地上・地底に住むあらゆるものの支配者でもある[1]。現在も庶民から篤く崇拝されており、民間信仰や、東南アジアなどの華僑の間では最高神として扱われる。
略さない形の名称は高上玉皇大帝(こうじょうぎょくこうたいてい)[1]。他に昊天金闕至尊玉皇上帝(こうてんきんけつしそんぎょくこうじょうてい)、玉皇上帝(ぎょくこうじょうてい)、天公(てんこう)などと呼ばれる。
私的解説
[編集]玉皇大帝は「天の主催者」ということで、「天の中心」に類する意味で、黄帝ともイメージが重なる。黄帝が「地の中心」で、後に昇天したとすれば、「天の中心」にもなり得たかもしれない。玉(*ŋok)、黄(*N-kʷˁaŋ)は古くは類する「音」であり、玉皇大帝と黄帝は起源が「同じ神」と考える。
また、玉(*ŋok)、黄(*N-kʷˁaŋ)という言葉は、インドのナーガ(蛇神など)と同起源の言葉なのではないだろうか。
解説
[編集]上帝(昊天上帝、天帝とも)が古くから天の主催者として信奉されてきた。道教では「太元」を神格化した元始天尊、次に「道」を神格化した霊宝天尊(太上道君)、その後これらに「老子」を神格化した道徳天尊(太上老君)を加えた三柱(「三清」)が最高神とみなされていった[2]。
「玉皇」という名称は古くは六朝の道士・陶弘景の『真霊位業図』の中にみられるが、その地位はあまり高くはなかった。唐代にはその名称が普及し、詩文の中で天帝の美称として玉皇や玉帝といった名称を用いるようになっていった。玉皇大帝が本格的に最高神とされるようになったのは北宋である。真宗が大中祥符8年(1015年)に「太上開天執符御歴含真体道玉皇大天帝」という尊号を賜り、国家的な祭祀対象となった。また徽宗が政和6年(1116年)に「太上開天執符御歴含真体道昊天玉皇上帝」という尊号を追贈し、昊天上帝と同一視されるようになる[3][4]。
三清を補佐し天界の政務を行う「四御」(玉皇大帝、北極紫微大帝、勾陳天皇大帝、后土皇地祇)の一員とされる。三清と合わせて「三清四御」と呼ぶこともある[5]。
玉皇大帝のもと、天界の存在は神々も仙人も現実の官僚体制のような組織に属しているとされた。すべての神々と仙人は玉皇大帝から位を与えられてその身分を定められた。『西遊記』においても、孫悟空に斉天大聖の位を与えている[1]。
玉皇大帝を祀る廟は「玉皇廟」「玉皇閣」「玉皇観」「玉皇宮」などと称することが多い。また他の神を主神とする廟にも「玉皇殿」や「霊霄宝殿」など玉皇大帝を祀る殿閣が存在することもある。
旧暦1月9日は「玉皇誕」とされ、玉皇大帝の誕生の日として祭祀が行われる。
各種文献における記述
[編集]道教経典
[編集]道教儀礼で広く用いられる『玉皇経(高上玉皇本行集經)』(『高上玉皇本行集経』)には以下のような記述がある。
はるか昔に光厳妙楽国という国があり、国王は名を浄徳王、后は宝月光(上古音:*puːl-ŋod-kʷaːŋまたは *paːw-ŋod-kʷaːŋ、中古音:pow-ngywət-kwɑŋ、中国語:bǎo-yuè-guāng(バオ-ユエ-グアン))皇后といったが、国王には跡継ぎがいなかった。そこで国中の道士を招いて儀礼を執り行った。ある夜、宝月光皇后は太上道君から子どもを授かる夢を見て、目が覚めると妊娠していた。その後一年を経て、丙午の年、正月九日午の刻に太子として生まれたのが玉帝である。浄徳王の没後に太子は国を継ぐが、やがてすべてを捨てて山中にこもり、道を修め人々を救おうとした。億劫もの長い時間をかけた修行を経て、ついに玉帝となった[4][6][私注 1]。
また『聖源覚真経(聖源覺真經)』では、遠い昔に身を捨てて天の北を塞ぎ、代わりに万の衆生を生かした(「捨身堵北缺、代存万衆生」)という[私注 2]。
西遊記
[編集]『西遊記』では「高天上聖大慈仁者玉皇大天尊玄穹高上帝」の名で登場し、霊霄殿に出御し朝政を行っているとする。孫悟空に蟠桃園の管理を任せた。
参考文献
[編集]- Wikipedia:玉皇大帝(最終閲覧日:22-10-18)
- 二階堂善弘, 松村一男他, 神の文化史事典, 白水社, 2013-02, 玉皇(p. 191)、三清(p. 250), isbn:978-4-560-08265-2
- 二階堂善弘, 中国の神さま―神仙人気者列伝, 平凡社, 2002-03, すべての神を統御する――玉皇大帝, isbn:978-4-582-85130-4, pages:138-143
- 二階堂善弘, 増尾伸一郎]]・丸山宏編, 道教の経典を読む, 大修館書店, あじあブックス, 2001-01, 玉皇経, pages:213-224, isbn:978-4-469-23169-4
- 蜂屋邦夫, 野口鐵郎・田中文雄編, 道教の神々と祭り, 大修館書店, あじあブックス, 2004-12, 道教の最高神――玉皇・三清と神々の系統, pages:10-19, isbn=978-4-469-23199-1
- 呂宗力・欒保群編, 中国民間諸神, 台湾学生書局, 1991-10, pages:31-44, isbn:957-15-0273-1
- 中野美代子訳, 西遊記 1, 岩波書店, 2005-01, isbn:978-4-003-20201-2
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 玉皇大帝 - 蓬瀛仙館道教文化中心資料庫
- 道教と仙学 第3章 1、道教の神仙信仰 - 仙学研究舎
- 玉皇大帝 - コトバンク
- 玉皇上帝について知りたい。 - レファレンス協同データベース(2013年11月)
- 《玉皇經》 - 中國哲學書電子化計劃 維基