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天照大御神
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=== 中世 === しかし、中世に入ると律令制度の弛緩に伴い、神郡など古代において伊勢神宮を支えた国家的経済基盤が動揺しはじめたことから、伊勢神宮の御師による布教活動が行われ、天照大御神の存在が広い階層の人々に知られるようになった<ref name="佐藤、115-146頁">佐藤弘夫「日本国主天照大御神観の形成」『鎌倉仏教の様相』吉川弘文館(1999)115-146頁</ref>。その結果、中世期の起請文には「日本国主天照大神」という表現が多く見られるようになる<ref name="佐藤、115-146頁"/>。記紀神話における天照大神はあくまで高天原の主神であり、「日本」という国土を具体的に知行する神ではなかったが、中世における信仰では、国土の最高神として具体的に日本を知行し、人々の願いを聞き入れたり、人々に賞罰を下す存在として信仰され、国民各層に開かれた信仰対象となった<ref name="佐藤、115-146頁"/>。中世期には伊勢神宮に寄進され神領地となった場所に天照大御神を祀る神明神社が成立したり、中世後期には伊勢の神霊が各地に飛来するという「飛神明」という考えが広がり、各地に天照大神を祀る神社が成立した<ref name="西垣晴次『お伊勢まいり』岩波新書(1983)127-129頁">西垣晴次『お伊勢まいり』岩波新書(1983)127-129頁</ref>。 ただし、「日本国主」である天照大神であっても、それは六道など仏教的宇宙観の一角としての下界である「日本」という領域に限定される最高神であって、仏教的宇宙観全体の支配者である梵天などの仏よりは下位として見なされる場合があり、起請文にも仏の名前を上段に列記し、下段に天照大御神をはじめとする神々の名が列記される例が見られる<ref name="佐藤、115-146頁"/>。 また、中世期には天照大神は[[大日如来]]の垂迹として信仰され、仏教信仰と結びつけられた。さらに、各神社が自社の祭神を天照大神に結びつけることも見られるようになり、大神神社では祭神が天照大神と同体とされ<ref>https://kotobank.jp/word/三輪神道-139990, 三輪神道とは - コトバンク, コトバンク, 小笠原春夫, 2022-08-10</ref>、春日大社では第四殿に祀られる「比売神」が天照大神のこととされ<ref>https://kotobank.jp/word/春日信仰-229876, 春日信仰とは - コトバンク, コトバンク, 落合偉洲, 2022-08-10</ref>、熊野権現では熊野社の祭神が伊勢の天照大神と同体であると主張され<ref>https://kotobank.jp/word/長寛勘文-97704, 長寛勘文とは - コトバンク, コトバンク, 瀧浪貞子, 2022-08-10 </ref>(『長寛勘文』)、日吉大社で展開した山王神道でも日吉大社と天照大神が結びつけられる<ref name="末木文美士『中世の神と仏』山川出版社(2003)45頁">末木文美士『中世の神と仏』山川出版社(2003)45頁</ref>など、中世の混乱期にあって、各神社の信仰を天照大神への信仰に帰一することを求める思潮が形成された<ref>http://hjueda.on.coocan.jp/koten/ktshk/sotsuron2.htm, 近世初期における神宮復興の運動, 上田勝彦, 2022-08-10</ref>。
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