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テーセウス
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== 神話 == === 誕生 === テーセウスはアテーナイの王[[アイゲウス]]と[[トロイゼーン]]の王女[[アイトラー]]の子とされる<ref>プルタルコス「テーセウス伝」 [[s:el:Βίοι_Παράλληλοι/Θησεύς#p4.1|4.1]]。</ref><ref>アポロドーロス、[[s:el:Βιβλιοθήκη/Γ#Γ_16,1|3巻16・1]]。</ref>。海神[[ポセイドーン]]とアイトラーとの間に生まれた子であるという伝説もある<ref>プルタルコス「テーセウス伝」 [[s:el:Βίοι_Παράλληλοι/Θησεύς#p6.1|6.1]]。</ref>。 テーセウスはトロイゼーンで育てられたが、16歳の時、アイゲウスに息子として認めさせるために、アテーナイに向かった。アテーナイには安全な海路を取ることも可能であったが、テーセウスはあえて危険な陸路を選び<ref>プルタルコス「テーセウス伝」[[s:el:Βίοι_Παράλληλοι/Θησεύς#p6.6|6.6]]。</ref>、道中の山賊や怪物を討ち果たした。[[エピダウロス]]では[[ペリペーテース]]を<ref>オウィディウス『変身物語』[[s:la:Metamorphoses_(Ovidius)/Liber_VII#435|7巻436行-437行]]。</ref><ref>プルタルコス「テーセウス伝」[[s:el:Βίοι_Παράλληλοι/Θησεύς#p8.1|8.1]]。</ref>、[[コリントス地峡]]では[[シニス]]を<ref>オウィディウス『変身物語』[[s:la:Metamorphoses_(Ovidius)/Liber_VII#440|7巻440行-442行]]。</ref>、クロミュオーンでは[[パイア]]と呼ばれた[[猪]](クロミュオーンの猪)を<ref>オウィディウス『変身物語』[[s:la:Metamorphoses_(Ovidius)/Liber_VII#435|7巻435行]]。</ref>、[[メガラ]]では[[スケイローン]]を<ref>オウィディウス『変身物語』[[s:la:Metamorphoses_(Ovidius)/Liber_VII#440|7巻443行-447行]]。</ref>、[[エレウシース]]では[[ケルキュオーン]]を<ref>オウィディウス『変身物語』[[s:la:Metamorphoses_(Ovidius)/Liber_VII#435|7巻439行]]。</ref><ref name=pl-11.1>プルタルコス「テーセウス伝」[[s:el:Βίοι_Παράλληλοι/Θησεύς#p11.1|11.1]]。</ref>、ヘルメウスでは山賊[[プロクルーステース]]を倒した<ref>オウィディウス『変身物語』[[s:la:Metamorphoses_(Ovidius)/Liber_VII#435|7巻438行]]。</ref><ref name=pl-11.1/>。残虐な方法で人を殺めていたこの者達に対し、テーセウスはいずれも同じ目に遭わせて殺した。 道中、テーセウスが倒したプロクルーステースは「プロクルーステースのベッド(寝台)」(Procrustean bed)の逸話で有名である。この山賊は旅人に寝台を勧め、大きな寝台より背が小さければ、旅人の手足を無理やり引っ張ることで殺してしまった。また、小さな寝台から手足がはみ出せば、旅人の手足を切り落として殺してしまった。そこから「無理矢理、基準に一致させる」という意味になった。 アテーナイでは、アイゲウスの妻[[メーデイア]]がテーセウスを毒殺しようとしたが、テーセウスはこの陰謀から逃れ、身に着けていた剣とサンダルによって身の証しをたて、アイゲウスから息子と認められた。そして、メーデイアはアテーナイから追放された。 === ミーノータウロス退治 === [[ファイル:Minotaur.jpg|thumb|180px|ミーノータウロスを退治するテーセウス]] 当時、アテーナイは[[クレーテー島]]の[[ミーノース]]王の勢力下に置かれており、アテーナイはミーノース王の命令によって毎年7人の若者と7人の乙女を怪物[[ミーノータウロス]]への[[生贄]]として捧げるよう強要されていた。その事を知って強い憤りを感じたテーセウスは、クレーテー島に乗り込んでミーノータウロスを退治するため、父王アイゲウスの反対を押し切り、自ら進んで生贄の一人となった。生贄を運ぶ船は、国民たちの悲しみを表す印として黒い[[帆]]が張られていた。テーセウスは他の生贄たちと共にその船に乗り込み、クレーテー島へ向かった。 [[File:クノッソス宮殿.JPG|thumb|300px|ミーノータウロス伝説の舞台となったクノーソス宮殿]] ミーノータウロスが幽閉されているラビュリントスは、名工[[ダイダロス]]によって築かれた脱出不可能と言われる[[迷宮]]であった。しかし、ミーノース王の娘[[アリアドネー]]がテーセウスに恋をしてしまい、彼女はテーセウスを助けるため、彼に赤い麻糸の鞠と[[短剣]]をこっそり手渡した。テーセウスはアリアドネーからもらった毬の麻糸の端を入口の扉に結び付け、糸を少しずつ伸ばしながら、他の生贄たちと共に迷宮の奥へと進んでいった。そして一行はついにミーノータウロスと遭遇した。皆がその恐ろしい姿を見て震える中、テーセウスはひとり勇敢にミーノータウロスと対峙し、アリアドネーからもらった短剣で見事これを討ち果たした。その後、テーセウスの一行は糸を逆にたどって、無事にラビュリントスの外へ脱出する事ができた。テーセウスはアリアドネーを妻にすると約束し、ミーノース王の追手から逃れてアテーナイへ戻るために、アリアドネーと共に急いでクレーテー島から出港した。 [[ファイル:Titian Bacchus and Ariadne.jpg|thumb|right|200px|[[ティティアーノ]]による[[バッカスとアリアドネ]]。[[ナショナル・ギャラリー (ロンドン)]]所蔵]] しかし、彼は帰路の途中、[[ナクソス島]]に寄った際に、アリアドネーと離別してしまった。これは、アリアドネーに一目惚れした[[ディオニューソス]]([[バックス]])が彼女を[[レームノス島]]に攫ってしまったために、行方が分からなくなり、やむを得ず船を出港させたとも、テーセウスがアリアドネーに飽きて彼女を置き去りにしたとも言われている。 テーセウスは生贄の一人としてクレーテー島へ向かう時、無事クレーテー島から脱出できた場合には喜びを表す印として船に白い帆を掲げて帰還すると父王アイゲウスに約束していた。しかし、テーセウスはこの約束を忘れてしまい、出航時の黒い帆のまま帰還した。これを見たアイゲウスは、テーセウスがミーノータウロスに殺されたものと勘違いし、絶望のあまり海へ身を投げて死んだ。その後、アイゲウスが身を投げた海は、彼の名にちなんでアイガイア海([[エーゲ海]])と呼ばれるようになったという。 === その他の冒険 === アイゲウスの後を継いで王になったテーセウスは憐み深い王としてアテーナイを治める一方、[[アマゾーン]]の女王[[アンティオペー]]、あるいは[[ヒッポリュテー]]をさらい妻としたり、[[金羊毛]]皮を捜し求める[[アルゴー船]]探検隊([[アルゴナウタイ]])の冒険に参加したり、盟友[[ペイリトオス]]とともに[[スパルタ]]の王女[[ヘレネー]]と冥界の女王[[ペルセポネー]]を誘拐しようとしたり、様々な冒険を行った。 冥界へ赴く以前は、アリアドネーの妹[[パイドラー]]を妻とし、幸せに暮らしていた。しかしある時、パイドラーは義理の息子[[ヒッポリュトス (神話)|ヒッポリュトス]]を愛してしまう。パイドラーはヒッポリュトスに想いを打ち明けるが、彼はこれを酷く非難する。夫テーセウスへの発覚を恐れたパイドラーは、衣服を裂き「ヒッポリュトスから辱めを受けた」という遺書を残し自殺する。テーセウスは憤慨し、[[ポセイドーン]]に祈り息子ヒッポリュトスを殺害する。その後、真相を知ったテーセウスは、妻と息子の死を深く嘆き悲しんだ。 晩年はペルセポネーを略奪するために長く国を留守にした隙を突かれて王位を追われ、[[スキューロス島]]の王[[リュコメーデース]]のもとに身を寄せていたが、リュコメーデースはテーセウスに王位を簒奪されるのではないかと恐れ、彼を崖から突き落として殺してしまった。[[デルポイ]]の神託によって、テーセウスの遺骸はアテーナイに戻され、アテーナイの人々によって手厚く葬られた。
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